モーズレイ処方ガイドライン第14版(The Maudsley PrescribingGuidelines inPsychiatry 14thEdition)menu open

小児・青年期によく使用される向精神薬の用量

よく使用される薬の用量は表5.8を参照のこと。

表5.8 小児・青年期によく使用される向精神薬の開始用量1, 2*

薬剤 開始用量** コメント
抗精神病薬
アリピプラゾール 2mg 反応と副作用をみながら用量を調整する
クロザピン 6.25-12.5mg 血漿中濃度を測定して維持量を決定する
オランザピン 2.5-5mg 反応と副作用をみながら用量を調整する
クエチアピン 25mg 有効量は通常150-200mg/日の範囲である
リスペリドン 0.25-2mg 反応と副作用をみながら用量を調整する
抗うつ薬
fluoxetine 5-10mg/日 反応と副作用をみながら用量を調整する
セルトラリン 25-50mg/日 有効量は通常50-100mg/日の範囲である
citalopram 10mg/日 有効量は10-40mgである(QTに対する作用に注意)
他の薬剤
リチウム 炭酸リチウムとして
100-200mg/日
血漿中濃度を測定して維持量を決定する
バルプロ酸 10-20mg/kg/日を分割投与 血漿中濃度を測定して維持量を決定する。妊娠回避計画(PPP)を実施していない限り,妊娠可能な女児や若年女性には投与しないこと3
メラトニン 就寝時に2mg 有効量は2-10mgである

ハロペリドール,アミトリプチリン, エスシタロプラム,カルバマゼピンはいずれも小児において推奨されていないため,本表から削除した。
**経口投与開始時に推奨される概算用量である(個々の適応に対する用量は一次文献を参照のこと)。体重25kg 未満の小児には推奨される用量範囲内の低用量を投与する。


<編集協力者コメント>

アリピプラゾール(エビリファイ®)は適応症「小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性」に対しての開始用量が1日1mg,維持用量は1-15mgと添付文書で明記されている。

(多田 光宏)

参照文献
  1. BNF Online. British National Formulary 2020; https://www.medicinescomplete.com/mc/bnf/current .
  2. BNFC Online. British National Formulary for Children 2020; https://www.medicinescomplete.com/#/browse/bnfc .
  3. GOV.UK Guidance. Valproate use by women and girls 2020; https://www.gov.uk/guidance/valproate-use-by-women-and-girls .