小児・青年期によく使用される向精神薬の用量
よく使用される薬の用量は表5.8を参照のこと。
表5.8 小児・青年期によく使用される向精神薬の開始用量1, 2*
薬剤 | 開始用量** | コメント |
抗精神病薬 | ||
アリピプラゾール | 2mg | 反応と副作用をみながら用量を調整する |
クロザピン | 6.25-12.5mg | 血漿中濃度を測定して維持量を決定する |
オランザピン | 2.5-5mg | 反応と副作用をみながら用量を調整する |
クエチアピン | 25mg | 有効量は通常150-200mg/日の範囲である |
リスペリドン | 0.25-2mg | 反応と副作用をみながら用量を調整する |
抗うつ薬 | ||
fluoxetine | 5-10mg/日 | 反応と副作用をみながら用量を調整する |
セルトラリン | 25-50mg/日 | 有効量は通常50-100mg/日の範囲である |
citalopram | 10mg/日 | 有効量は10-40mgである(QTに対する作用に注意) |
他の薬剤 | ||
リチウム |
炭酸リチウムとして 100-200mg/日 |
血漿中濃度を測定して維持量を決定する |
バルプロ酸 | 10-20mg/kg/日を分割投与 | 血漿中濃度を測定して維持量を決定する。妊娠回避計画(PPP)を実施していない限り,妊娠可能な女児や若年女性には投与しないこと3 |
メラトニン | 就寝時に2mg | 有効量は2-10mgである |
*ハロペリドール,アミトリプチリン, エスシタロプラム,カルバマゼピンはいずれも小児において推奨されていないため,本表から削除した。
**経口投与開始時に推奨される概算用量である(個々の適応に対する用量は一次文献を参照のこと)。体重25kg 未満の小児には推奨される用量範囲内の低用量を投与する。
<編集協力者コメント>
アリピプラゾール(エビリファイ®)は適応症「小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性」に対しての開始用量が1日1mg,維持用量は1-15mgと添付文書で明記されている。
(多田 光宏)
参照文献
- BNF Online. British National Formulary 2020; https://www.medicinescomplete.com/mc/bnf/current .
- BNFC Online. British National Formulary for Children 2020; https://www.medicinescomplete.com/#/browse/bnfc .
- GOV.UK Guidance. Valproate use by women and girls 2020; https://www.gov.uk/guidance/valproate-use-by-women-and-girls .