モーズレイ処方ガイドライン第14版(The Maudsley PrescribingGuidelines inPsychiatry 14thEdition)menu open

急性の行動障害または暴力的行動

急性の行動障害は,精神疾患,身体疾患,物質乱用,パーソナリティ障害を背景として起こることがある。急性の行動障害では精神病性の症状がよくみられ,被害妄想や幻聴,幻視,幻触によって二次的に他者への攻撃性が生じることがある。本項では,いくつかの精神疾患を背景とした行動障害を論じる。違法薬物の乱用に起因する興奮性/激越性せん妄はChapter 9で取り上げる。

急性の行動障害に対して段階的な鎮静(ディエスカレーション)を実施するための適切な心理的・行動的アプローチを行っても無効に終わった場合,急速鎮静が行われる。この方法は基本的には最後の手段である。急速鎮静が必要な患者は障害が著しいため,インフォームドコンセントを得たり,RCTに参加したりすることはできないことが多いが,最近では,いくつかの手法により,薬物療法の有効性と忍容性のエビデンスベースが得られつつある。包括的な最新のコンセンサスガイドラインが公表されており1,最近ではシステマティック・レビューやメタ解析も発表されている2

経口薬/吸入薬による治療

これまでに,経口SGAの有効性を裏付ける複数の研究が実施されている3-6。これらの研究では,患者の行動障害のレベルは中等度であり,被験者はいずれも経口治療を受け入れていた(実際の臨床では,このレベルのコンプライアンスが得られることは通常ない)。被験者には抗精神病薬の単剤治療として,SGAが投与されていた。最初の薬剤に加え,別の抗精神病薬を「随時・必要時」に追加投与した場合の有効性や安全性は,正式なRCTでは明確に検証されていない。

単回投与RCTにより,アセナピンの舌下投与は急性の激越に対してプラセボよりも有効であった7。中等度の行動障害に対する吸入loxapineの有効性も,RCT8-10および症例集積研究11, 12で支持されている。この薬剤の使用には患者の協力が必要で,稀な副作用として気管支けいれんが起きる。

非経口薬による治療

大規模なプラセボ対照RCTでは,オランザピン,ziprasidone,アリピプラゾールの筋注薬の有効性が支持されている。これらの試験から,筋注薬の有効性は,オランザピン,ハロペリドール,アリピプラゾール,ziprasidoneの順であると示唆された2, 13。これらの試験で行動障害のレベルは中等度であり,治療薬間の差は小さかった。

1件の大規模観察研究で,臨床的緊急事態(行動障害が重度である場合)におけるオランザピン筋注薬の有効性および忍容性が支持されている14。ハロペリドール筋注薬単剤と,ミダゾラム筋注薬とハロペリドール筋注薬の併用を比較した研究では,待機的治療患者における併用療法は激越に対してハロペリドール単剤治療よりも有効であった15

数件のRCTで,「実臨床で遭遇する」急性行動障害患者に対する非経口薬の有効性が検討されている。全体として,

  • ミダゾラム静注薬単剤と比べると,オランザピン静注薬またはドロペリドール静注薬との併用は,効果の発現が速く,追加投与も少なかった16
  • ミダゾラム筋注薬7.5-15mgでは,ハロペリドール5-10mgとプロメタジン50mgの併用に比べて鎮静がより迅速であった(TREC 1)17
  • オランザピン10mgは,短期的にはハロペリドール10mgとプロメタジン25-50mgの併用と同程度の有効性を示したが,効果は持続しなかった(TREC 4)18
  • ハロペリドール5-10mgとプロメタジン50mgの併用は,ハロペリドール5-10mg単剤に比べて有効性および忍容性に優れていた(患者の6%に急性ジストニア反応が発現した)(TREC 3)19
  • ハロペリドール10mgとプロメタジン25-50mgの併用は,ロラゼパム4mgよりも有効性が高かった(TREC 2)20
  • クロルプロマジン100mg,ハロペリドール5mg,プロメタジン25mgの筋注薬の併用は,ハロペリドール5mgとプロメタジン25mgの筋注薬の併用と大差がなかった(TREC Lebanon)21
  • ミダゾラム静注薬とドロペリドール静注薬の併用は,ドロペリドール静注薬またはオランザピン静注薬の単剤よりも鎮静がより迅速に発現した。ミダゾラム-ドロペリドール群では,鎮静を達成するのに追加の薬物投与を必要とした患者は少なかった22
  • 統合失調症における激越の治療において,オランザピン筋注薬はアリピプラゾール筋注薬よりも短期的(2時間目)には有効であったが,24時間目には有意な治療差は認めなかった23
  • 救急医療での大規模研究(737例)において,ミダゾラム5mg筋注薬は,オランザピン10mg,ziprasidone 20mg,ハロペリドール5mgおよび10mgと比較して作用発現が速く,有効性が高かった24
  • 非盲検研究において,ハロペリドール筋注薬とロラゼパム筋注薬の併用の有効性は,オランザピン筋注薬と同等であった25。
  • ドロペリドール筋注薬とハロペリドール筋注薬の効果は同等であった26

コクランは,ハロペリドール単剤は急性の行動障害の管理には有効であるが忍容性が不良で,(ロラゼパムではなく)プロメタジンとの併用で忍容性が改善すると結論している27, 28。しかしNICEでは,プロメタジンを使用することのエビデンスに疑問を呈している29。コクランでは,ハロペリドールとプロメタジンの併用を評価したところ,精神病により攻撃的な患者において有効であった。攻撃性および追加投与の解消は,プロメタジンをハロペリドールと併用したときよりもオランザピンとの併用時で高かった。そのため,「重篤な副作用をなくすための手段をとらずに,ハロペリドール単剤での使用を正当化するのは難しいと思われる」とされていた30。コクランでは,アリピプラゾールのデータが少なく,アリピプラゾールはプラセボおよびハロペリドール単剤よりも有効であるが,オランザピンよりは効果が低かった。しかし,この結果を実臨床に一般化する際には慎重にすべきである31

激越に対するオランザピン筋注薬に関するシステマティック・レビューとメタ解析で,オランザピン筋注薬とハロペリドール筋注薬の効果は同等であるが,オランザピン筋注薬の方がEPSEの発現率が低かった32。コクランは,精神病により引き起こされた行動障害や攻撃的行動を呈する患者をコントロールするためには,ドロペリドールが有効であることを示唆している33。ドロペリドールは一部の国では再度使用可能となり,使用量が増加している(ドロペリドールの販売中止は自主的なものであったため,再販売は禁止されていなかった)。

あるメタ解析で,激越の治療に抗精神病薬の筋注薬を使用した場合の忍容性が検討された。ハロペリドールによる急性ジストニアの発現率は5%と報告されたが,忍容性はSGAの方がはるかに良好であった34。急性EPSは,長期的なコンプライアンスに悪影響を及ぼす可能性がある35。さらに,多くの国におけるハロペリドールの正式な添付文書では治療前のECG検査が必要とされ36, 37,抗精神病薬との併用処方は避けるよう注意喚起している。ハロペリドール10mg筋注薬投与後のQTc延長時間は,平均15msecにも上る可能性があるが,その範囲は幅広い38

プロメタジンはハロペリドールの代謝を阻害するかもしれないため注意が必要で39,ハロペリドールがQTcを延長する可能性を考えると,臨床的に重大な薬物動態的相互作用が起こる可能性がある。単回投与ではあまり問題とならないが,継続投与でリスクになりうる。

ドロペリドールでもQTの変化が起こる(過去の一時販売中止の理由)。救急医療での観察研究では,ドロペリドールを非経口投与された患者1,009例中,投与後に13例(1.28%)においてQTの異常を認めた。これらの患者の7例で,別の寄与因子が特定されたが,トルサード・ド・ポアンの発現はみられなかった26。ドロペリドール筋注を用いた急速鎮静の全研究において,QTが500msecを超えた割合は全体で2%未満であった2

現在,急速鎮静において静注による治療はほとんど用いられないが,ベネフィットがリスクを上回ると考えられる場合に,最終手段として検討される可能性がある。高用量ハロペリドール静注薬とジアゼパム静注薬を比較した小規模研究では,いずれの薬剤も24時間後でも有効であった40。2件の大規模観察研究において,救急医療でオランザピン静注薬を使用した場合の安全性を検討した。オランザピン静注薬の適応症は様々であったが,激越が最も多かった。ある研究41では激越を治療する群(265例)において,1/3の患者がオランザピン静注薬の初回投与後に鎮静薬の追加投与が必要であった。患者の17.7%に低酸素症が報告され,20.4%で酸素補給を行った。6例が挿管を要した(このうち2例ではオランザピン投与が原因であった)。別の研究42では,オランザピン静注薬(295例)とオランザピン筋注薬(489例)を比較した。静注群の患者の81%,筋注群の84%は追加投与が不要であった。オランザピン静注群では呼吸抑制が多く認められた。筋注群の5例,静注群の2例で挿管が必要であった。

精神科救急の場合は,鎮静薬を高用量(日常の臨床診療での,ハロペリドール,ドロペリドールまたはミダゾラム10mgを超える量)で投与しても低用量より有効に鎮静できるわけではなく,副作用は増えた(低血圧と酸素飽和度の低下)43。小規模RCTでは低用量ハロペリドールの有効性を支持しており,ミダゾラムを併用すると有効性も忍容性も高まっていた44。これらは,臨床的な緊急事態でも標準量を使用することを概ね支持するものであるが,低用量投与後にはさらなる身体拘束の必要性を考慮しなければならない。

小規模観察研究では,精神科集中治療室におけるミダゾラムの口腔内投与の有効性を支持している45。ミダゾラムの非経口投与は,特に高用量を使用すると,呼吸抑制を伴う過鎮静を起こすおそれがある46。ロラゼパム筋注投与は確立された治療法の1つで,TREC 220でもその有効性が裏付けられているが,TREC試験の結果を総合すると,ミダゾラム7.5-15mgの方が有効と考えられる。精神病で誘発される攻撃性および激越に対するベンゾジアゼピン系薬剤に関するコクラン・レビューによると,ほとんどの試験は規模が小さすぎて正・負の効果の差を導き出せず,またベンゾジアゼピン系薬剤と別の抗精神病薬を併用しても明らかなベネフィットはないと考えられ,不必要な副作用が生じる可能性がある47

アルコールや違法薬物の急性中毒による行動障害患者については,治療の指針となるデータはさらに限られている。アルコール中毒患者で静注による鎮静を評価した大規模観察研究では,併用療法(よく使用されるのはハロペリドール5mgとロラゼパム2mg)は,いずれかの単剤と比べて,より有効性が高く,その後鎮静薬を追加する必要性が少なかった48。phencyclidine(PCP)を背景とする行動障害の管理に適量のハロペリドールを経口,筋注,静注で投与した患者(59例)を対象とした症例集積研究では,ハロペリドールに効果があり,良好な忍容性を示した(軽度の低血圧と軽度の低酸素症が各1例)49。Chapter 9に激越性せん妄の治療に関する項を設けている。

ケタミンは救急医療で激越に対して広く使用されている。ケタミンに関する18件の研究のシステマティック・レビュー50では,ケタミン平均315mgの筋注により平均7.2分で十分な鎮静に到達した。患者650例の30%以上が最終的に挿管され,1%超に咽頭けいれんが発現した。挿管のための設備がない環境においては,ケタミンは急速鎮静の選択肢にならないと考えられる。

全体として,ミダゾラムとドロペリドールは単剤として筋注する場合に作用発現が最も速く51,ハロペリドール単剤は避けるべきであり,おそらくハロペリドールは併用でも完全に断念すべきである52という幅広いコンセンサスが現時点では得られている。第二選択はベンゾジアゼピン系薬剤と抗精神病薬の併用であり,第三選択は,現時点では,ベンゾジアゼピン系薬剤の静注後に,挿管のための設備があると仮定して,ケタミン2-5mg/kg筋注を行う方法となる。

実臨床における手段

理想的には,個々の患者について,あらかじめ管理プランを立てておくべきである。その目的は,不穏行動を予防し,暴力のリスクを抑えることにある。看護的介入(ディエスカレーション,タイムアウト,隔離53)や,看護レベルを上げる,患者を精神科集中治療室に移す,薬物療法で管理する,といった方法が選択肢として考えられる。抗精神病薬の併用は避け,抗精神病薬の累積投与量が高くならないように注意すべきである。また急速鎮静後は,一般的な身体管理を行うことが不可欠である。患者は急速鎮静を懲罰的なものととらえることが多いという点にも注意する。急速鎮静の患者経験に関する研究はほとんど行われていない。

急速鎮静の目的は以下の3つである。

  • 患者の心理的苦痛や(自傷行為や事故による)身体的苦痛を軽減する。
  • 安全な環境を保つことで,他者に危害が及ぶ危険性を少なくする。
  • (安全な処方計画を立て,身体的健康状態を監視することで)危害が生じないようにする。

注:迅速かつ有効な治療を行う必要はあるが,(ほぼすべての抗精神病薬に共通する)QT延長に伴うリスクを考えると,2つ以上の抗精神病薬の併用(抗精神病薬多剤併用)は避けるべきである。急速鎮静では患者の身体状況が不整脈を生じやすい状態にあるため,この点が特に重要である。

zuclopenthixol acetate

zuclopenthixol acetateは英国やその他欧州諸国で広く使用されており,商品名Acuphaseの名で知られている。zuclopenthixol自体はチオキサンテン系ドパミン拮抗薬であり,1960年代初期に初めて導入された。zuclopenthixol acetateは急速鎮静薬ではない。消失半減期は約20時間である。zuclopenthixol塩基は筋注により急速に吸収され,作用持続時間は12-24時間である。筋注後の吸収を遅延させることによって,生物学的半減期(ひいては作用持続時間)は筋注リザーバーからの放出速度に依存するようになる。これはzuclopenthixol分子のエステル化によるものであり,放出速度はおおまかにいうとエステルの炭素鎖長に比例する。zuclopenthixol decanoateは筋注後の放出が遅いため,緩徐であるが非常に長時間にわたり作用する。zuclopenthixol acetate(炭素原子が8個少ない)は即時に放出するが,作用時間は中程度であると予測される。製薬会社側の意図としては,行動障害のある患者の反復筋注の必要性を減らすことである。

初期の薬物動態試験では,「非経口神経遮断薬による鎮静効果が必要と考えられる」患者19例が対象とされた54。zuclopenthixolは投与1-2時間後に血漿中に検出されたが,約36時間後までは最高濃度に達しなかった。72時間後の血漿中濃度は36時間後の濃度の約1/3であった。臨床効果の発現は迅速ではなく,患者17例中10例では4時間後の精神病症状にほとんど変化が認められなかった。鎮静は4時間後に認められたが,72時間後までに実質上効果は消失した。

同じ研究グループによる追跡調査研究55では,患者83例でzuclopenthixol acetateが「精神病症状の顕著かつ迅速な抑制」をもたらしたと結論した。実際には,24時間後にしか精神病症状の初回評価を行っていないため,迅速な効果が得られるという裏付けにはならない。鎮静効果は2時間後に測定し,統計学的に有意な効果が認められた。投与前の平均鎮静スコアは0.0(0=鎮静の徴候なし)で,2時間後には0.6(1=やや鎮静)であった。最大の鎮静効果は,8時間後に認められた(平均スコア2.2,2=中程度に鎮静)。72時間後の平均スコアは1.1であった。ジストニアと固縮が最も多く報告された副作用であった。

独立して実施された2件の非盲検試験でも同様の結果が得られ,効果の発現は緩徐であり,24時間後に最大となり,72時間後にも認めた56, 57。最初の英国の研究は1990年に報告された58。この試験では,精神病スコアの有意な低下が8時間後に認められ,72時間後の最終測定時まで低下し続けた。評価された25例中4例のみが1時間後に鎮静の徴候を示した(2時間後には19例,24時間後には22例)。

比較試験59では,zuclopenthixol acetateの効果,ならびにハロペリドール筋注薬/経口薬およびzuclopenthixol筋注薬/経口薬の作用を検討した(6日間にわたる複数回投与)。この2種類の非エステル筋注薬/経口薬では,2時間後の鎮静の程度がzuclopenthixol acetateよりも大きかったが,zuclopenthixol acetateとzuclopenthixolの効果はハロペリドールよりも長く,144時間にわたって持続した(ただし,zuclopenthixolの投与回数は多かった)。zuclopenthixol acetateの効果の発現が緩徐であったことを除いて,治療薬間に明らかな差は認められなかった。各薬剤の投与回数は大幅に異なっており,zuclopenthixol acetateは1-4回,ハロペリドールは1-26回,zuclopenthixolは1-22回であった。zuclopenthixol acetateの投与回数の少なさは重要な(かつおそらく独特な)利点であり,急性精神病における反復投与の必要性を低下させる。実際,この点が最初の二重盲検試験の主な結果であった60。被験者にはzuclopenthixol acetateまたはハロペリドール筋注薬のいずれかを投与し,3日間にわたり評価した。簡易精神症状評価尺度(BPRS)および臨床全般印象度(CGI)スコアの変化量は,毎日の評価でほぼ同じであった。しかし,zuclopenthixol acetate投与患者23例中,2回目の注射を必要としたのはわずか1例だったのに対し,ハロペリドール投与患者21例では7例が反復投与を要した。効果発現速度は検討しなかった。同じ薬剤を比較しているタイの研究61,およびその他3件の中規模試験(n=4462,n=4063,n=5064)でも同様の結果が報告されている。各試験の評価の時期は,効果発現速度が決定できない研究デザインであった。

コクラン・レビュー65は,上記の比較試験すべてと,別の3件の試験66-68を対象とした。しかし各試験はすべて方法に問題があり,十分な報告ではなく,zuclopenthixol acetateは「迅速な作用発現」を示さないようであるとしている。さらに,zuclopenthixol acetateはおそらく他の薬剤と比べて効果が劣らないこと,その使用により「強制的な注射の回数が減少する」可能性があることを指摘している。

全体として,zuclopenthixol acetateは鎮静作用と抗精神病作用のいずれの発現もやや遅いため,急速鎮静における使用は少なくなっている。少数の患者では2-4時間後に鎮静効果が現れる可能性があるが,抗精神病作用がみられるのは8時間後からである。拘束患者にzuclopenthixol acetateを投与する場合,拘束を解いたときの行動は変化しない可能性が高く,数時間はその状態が維持される。zuclopenthixol acetateは筋注のための拘束回数を減少させるという役割があるが,急速鎮静については利点がない。

zuclopenthixol acetate(Acuphase)の使用に関するガイドライン

zuclopenthixol acetate(ZA)は急速鎮静薬ではない。ハロペリドールやオランザピン等の短時間作用型抗精神病薬やロラゼパム等の鎮静薬の反復投与を必要とする急性の精神症状を有する患者に,これらの薬剤を使用した後で初めて使用する。おそらく過去にZAが奏効したことのある少数の患者のみにとどめるのが好ましい。
すでに投与した注射剤の反応を,時間をかけて十分に評価したうえでのみ使用する。静注薬の場合は15分間,筋注薬の場合は60分間は待つ。
ZAは,(作用発現が非常に遅いため)急速鎮静の目的で,(血管内への流入や脂肪塞栓を生じるおそれがあるため)物理的抵抗を示す患者に,(持続的なEPSEのリスクがあるため)神経遮断薬の使用経験がない患者に,絶対に使用すべきではない。

急速鎮静の要約

緊急の状況では,医学的要因が認められるかどうかを検討するための評価を行う69。定期的な処方を最適化する。薬物療法の目的は,過鎮静を引き起こさずに患者を鎮静させることである。注:小児,青年,高齢者には低用量で使用すべきである。非経口薬の投与後には患者の意識レベルと身体的な健康状態を監視する (プロトコールを参照)
段階的介入
1. ディエスカレーション,タイムアウト,入院・入所等(適宜)
2. 経口薬を投与する
抗精神病薬が定期的に処方されている場合:
ロラゼパム1-2mg
プロメタジン25-50mg
単剤治療としてミダゾラムの口腔内投与を使用すれば,筋注の必要がない場合もある。用量:10 mg
この投与方法は承認外であることに注意
経口薬またはデポ剤による定期的な抗精神病薬投与が行われていない場合:
  • オランザピン10mgまたは
  • リスペリドン1-2mgまたは
  • クエチアピン50-100mgまたは
  • ハロペリドール5mg(プロメタジン25mgを併用すると最適)。ハロペリドールのEUの製品概要には,投与前にECG検査を行うことと,抗精神病薬の併用は避けることが推奨されている
  • loxapine吸入薬10mg。本剤の使用には患者の協力が必要であること,および稀な副作用として気管支けいれんがみられることに留意する(手近にサルブタモール吸入薬を用意しておく)
必要に応じて,45-60分後にもう一度投与する。鎮静薬や抗精神病薬の併用を検討する。2回の投与がいずれも無効であった場合,または患者自身や他者に重大な危険が及ぶ可能性がある場合は,速やかにステップ3に進む
3.筋注薬の使用を検討する
ロラゼパム2mga, b ベンゾジアゼピン誘発性の呼吸抑制に備えて,フルマゼニルを用意しておく
プロメタジン50mgc プロメタジン筋注薬は,ベンゾジアゼピンに耐性を示す患者に有用な選択肢である
オランザピン10mgd 特に患者が飲酒している場合,オランザピン筋注薬とベンゾジアゼピン系筋注薬は併用しないこと70
アリピプラゾール9.75mg オランザピンに比べて低血圧が生じることは少ないが,有効性に劣る可能性がある5, 13, 71
ハロペリドール5mg

ハロペリドールは最後に検討すること

  • 急性ジストニアの発現率が高いため,プロメタジン筋注薬と併用し,procyclidine筋注薬を用意しておくこと
  • 投与前のECGが必要
効果が不十分な場合は,30-60分後に再度投与する。単剤治療が奏効しない場合,ハロペリドールとロラゼパムか,ハロペリドールとプロメタジンの併用を検討してもよい。薬剤を同じシリンジ中で混合してはならない。オランザピン筋注薬はベンゾジアゼピン系筋注薬と併用してはならない
4.静注薬の使用を検討する
  • ジアゼパム10mgを2分以上かけて投与するb, e
  • 効果が不十分な場合は,5-10分後に再度投与する(最大3回まで)
  • フルマゼニルを用意しておく
5. 専門家の助言を仰ぐf
ケタミン筋注のために医療ユニットに移すことを検討する

 注

a.
投与方法および希釈方法の記載は製薬会社毎に異なるので,注意深く確認する。多くの施設が4mgを使用している。ミダゾラム5-15mg筋注が代わりとなる。5mgで通常は十分である。いずれの場合も呼吸抑制のリスクは用量に関係しているが,一般にミダゾラムの方がリスクが大きい。
b.
小児や高齢者の場合,既存の脳損傷がある場合,衝動抑制に問題がある場合は,脱抑制反応が生じやすいため,注意が必要である72
c.
プロメタジンは作用発現に時間がかかるが,高い鎮静効果が得られることが多い。筋注の際は,事前に希釈する必要はない。最大100mg/日まで反復投与が可能である。投与後1-2時間おいてから反応を評価する。非常に稀ではあるものの,プロメタジン単剤投与による神経遮断薬悪性症候群(NMS)が報告されているので注意する73。ただしプロメタジンのドパミン拮抗作用はごく弱いものである。プロメタジンとハロペリドールの間には薬物動態的相互作用の可能性がある(ハロペリドールの代謝が損なわれる)ため,併用を繰り返すとリスクとなるおそれがあることにも留意する。
d.
NICEは中等度の行動障害のみ推奨しているが,大規模観察試験のデータは,臨床的緊急事態での有効性も支持している。
e.
注射部位反応を避けるためにDiazemulsを使用する。ロラゼパムを静注で投与してもよい。直ちに効果が必要な場合は,筋注の代わりに静注で投与してもよいかもしれない。静注では投与後速やかに作用部位に到達するため,吸収の遅い筋注による意図しない蓄積の危険性を効果的に回避することができる。静注では,無効であった場合でも5-10分経過後なら再度投与することが可能である。ミダゾラムを静注することも可能であるが,呼吸抑制が多くみられる1
f.
この段階での選択肢は限られているが,ケタミン筋注薬が広く使用されるようになり,利用可能な選択肢の幅が広がっている。かつてはamylobarbitoneやparaldehydeの筋注薬が用いられていたが,現在はごく稀にしか用いられず,また通常は入手が容易ではない。オランザピン静注薬,ドロペリドール静注薬およびハロペリドール静注薬等は使用される可能性があるが,副作用がかなり多くみられる。電気けいれん療法も選択肢である。

急速鎮静─身体状態の監視

非経口薬を投与した後は,必ず以下のモニタリングを行う。

  • 体温
  • 脈拍
  • 血圧
  • 呼吸数

最初の1時間は15分毎に,その後は患者が歩けるようになるまで1時間毎に測定を行う。患者がバイタルサインの監視を拒否する,または不穏行動が続いて近づけない等の場合は,発熱,低酸素症,低血圧,過鎮静の徴候・症状,全身の健康状態の観察を行う必要がある。

患者が眠った場合や意識を失った場合は,パルスオキシメーターを用いて酸素飽和度を継続的に測定することが望ましい。患者が歩けるようになるまで看護師が患者に付き添う必要がある。

抗精神病薬を非経口で投与する場合,特に高用量を投与する場合は,ECGと血液学的モニタリングも強く推奨される74,75。低カリウム血症,ストレス,激越があると心不整脈のリスクが高い76(「心電図の変化─QT延長」の項を参照)。ハロペリドールを使用する場合は,必ずECGモニタリングを実施することが,公式に推奨されている。

急速鎮静で問題が生じたときの対応

問題 対応
急性ジストニア(眼球上転発作を含む) procyclidine 5-10mgの筋注または静注を行う
呼吸数低下(10回/分未満)または酸素飽和度低下(90%未満) 酸素補給を行い,両脚を挙上し,うつぶせにならないようにする
ベンゾジアゼピン誘発性の呼吸抑制が疑われる場合は,フルマゼニルを投与する(プロトコールを参照)
他の鎮静薬によって生じた場合には医療ベッドに移し,機械的換気を行う
脈拍不整または脈拍数減少(50回/分未満) 直ちに専門医に紹介し,医療処置を受けさせる
血圧低下(30mmHgを超える起立性血圧低下または拡張期血圧が50mmHg未満) 患者を横たわらせ,頭部が低く保たれるようにベッドを傾斜させる
綿密に監視する
体温上昇 (NMSのリスクがあり,不整脈のリスクも考えられる)
クレアチンキナーゼを至急チェックする

フルマゼニル使用のガイドライン

適応 ロラゼパム,ミダゾラムまたはジアゼパムのいずれかを投与した後に,呼吸数が10回/分未満に低下した場合
禁忌 ベンゾジアゼピン系薬剤を長期投与しているてんかん患者
注意 肝機能障害がある場合は,注意深く漸増する
用量および投与経路 初回投与として200μgを15秒以上かけて静注する
-60秒後に必要な意識レベルに達しなかった場合は,
2回目以降100μgを15秒以上かけて投与する
投与間隔 60秒間
最大投与量 1mg/24時間
(初回投与+その後8回)
副作用 覚醒時に激越,不安,恐怖を示すことがある。ベンゾジアゼピンを常用している患者はけいれん発作を起こすことがあ
管理 通常,副作用は消退する
モニタリング
  • モニタリング項目
  • モニタリング頻度

呼吸数

呼吸数がベースラインのレベルに戻るまで継続する
フルマゼニルは半減期が短く(ジアゼパムに比べてはるかに短い),呼吸機能が回復しても再び悪化する可能性がある
注:呼吸数が正常に戻らない場合,または最初に数回投与した後も覚醒状態に戻らない場合は,鎮静の原因が他にあると推測すること

<編集協力者コメント>
  • このガイドラインが執筆された施設では,内科的治療が必要な身体危機を脱した患者が精神科救急に運ばれてくることを前提としている。
  • 上記のようなシステムが十分に整っていない本邦では,急性の行動障害を呈する患者は,脱水,熱発などの身体疲弊状態にあることも多く,身体的精査を十分に行う必要がある。
  • zuclopenthixol acetateは,本邦では未承認。

(猪飼 紗恵子)

参照文献
  1. Patel MX, et al. Joint BAP NAPICU evidence-based consensus guidelines for the clinical management of acute disturbance: de-escalation and rapid tranquillisation. J Psychopharmacology 2018; 32:601–640.
  2. Bak M, et al. The pharmacological management of agitated and aggressive behaviour: a systematic review and meta-analysis. Eur Psychiatry 2019; 57:78–100.
  3. Currier GW, et al. Acute treatment of psychotic agitation: a randomized comparison of oral treatment with risperidone and lorazepam versus intramuscular treatment with haloperidol and lorazepam. J Clin Psychiatry 2004; 65:386–394.
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