モーズレイ処方ガイドライン第14版(The Maudsley PrescribingGuidelines inPsychiatry 14thEdition)menu open

モーズレイ処方ガイドライン第14版原著からの注意

『モーズレイ処方ガイドライン』を使用する際の注意

本ガイドラインの主な目的は, よく遭遇するケースから稀なケースまで様々な臨床場面における向精神薬の処方について, 臨床医に実践的で有用なアドバイスを提供することである。これらの助言は, 文献のレビュー, 臨床知見, 専門家の見解を組み合わせて作成されたものである。我々は, これらの助言が必ずしも「正しい」と主張しているわけではなく, 他の専門機関や分科会による指針よりも重んじられてしかるべきだと言いたいわけでもない。それでも, 本ガイドラインが, 精神医療における薬剤の安全かつ有効で経済的な使用を確実なものとするのに役立つと期待している。また, 指針の根拠として用いた情報源は厳密に明示したと考えている。本書における推奨事項には, 英国や他国で認可された薬剤の適応とは異なる使用方法が多く含まれることに注意されたい。また, 引用した用量についてはできるだけ正確を期したが, 臨床医は処方する前に添付文書等を必ず確認していただきたい。さらに, 本ガイドラインは2021年3月時点で入手可能であった情報に基づくことにも留意されたい。今後さらなる研究が進むことにより, 本書での助言の多くは更新されるだろう。

なお,本書の使用により発生した傷害や損害に対する責任は,一切負わないものとする。

収載薬剤に関する注意

本ガイドラインは英国以外の多くの国でも使用されている。この点に留意し, 本版では2021年3月時点で西欧諸国で幅広く使用されている薬剤を収載した。ブレクスピプラゾール, desvenlafaxine, pimavanserin, vilazodone等, 英国では販売されていない薬剤も収載している。多くの古い薬剤や入手しにくい薬剤(レボメプロマジン, プロペリシアジン, マプロチリン, ゾテピン, 経口loxapine等)は, 執筆時点では一般的に使用されていないため, 簡単に述べるに留めるか, 収載しなかった。

貢献者の利益相反

本ガイドライン作成における貢献者のほとんどが, 製薬会社から研究費, 顧問報酬, 講演料の提供を受けている。このような関係が薬剤の選択や評価に不可避的に影響を及ぼすことに, 読者は留意する必要がある。

したがって, 本書が提供する指針に製薬業界からの間接的影響が及んでいないと保証することはできないが, 豊富な文献による裏付けでそのリスクを軽減するよう努めた。直接的影響に関しては, 本ガイドラインを草稿や校正の段階で閲覧しえた, あるいはコメントしえた製薬会社はなく, 特定の項目, 推奨, 指針の収載または除外を求めた会社もない。その限りにおいて, 本ガイドラインは製薬業界から独立して作成されたものである。