モーズレイ処方ガイドライン第14版(The Maudsley PrescribingGuidelines inPsychiatry 14thEdition)menu open

抗うつ薬の副作用の比較─概略

標準的な抗うつ薬による副作用の絶対リスクおよび相対リスクを,参照基準のない狭い範囲の概略ではあるが表3.26に示す。

表 3.26 抗うつ薬でよくみられる副作用

薬剤 鎮静 起立性低血圧§ 心伝導障害§ 抗コリン作用 悪心/嘔吐 性機能障害§
三環系抗うつ薬(TCA)
アミトリプチリン +++ +++ +++ +++ +++
クロミプラミン ++ +++ +++ ++ ++ +++
ドスレピン +++ +++ +++ ++
doxepin +++ ++ +++ +++
イミプラミン ++ +++ +++ +++
ロフェプラミン ++
ノルトリプチリン ++ ++
トリミプラミン +++ +++ ++ ++
その他の抗うつ薬
agomelatine
デュロキセチン(SNRI) ++ ++
levomilnacipran(SNRI) ++ ++
ミアンセリン ++
ミルタザピン +++
reboxetine
トラゾドン +++
ベンラファキシン(SNRI) +++ +++
選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)
citalopram ++ +++
エスシタロプラム ++ +++
fluoxetine ++ +++
フルボキサミン +++ +++
パロキセチン ++ +++
セルトラリン ++ +++
vilazodone ++ ++
ボルチオキセチン ++
モノアミン酸化酵素阻害薬(MAOI)
isocarboxazid ++ ++
phenelzine
tranylcypromine
可逆的モノアミン酸化酵素A阻害薬(RIMA)
moclobemide

記号
+++:高頻度/重度
++:中頻度
+:低頻度 - ごくわずか/なし
高血圧が報告されている。
§一部の症例は本Chapterの該当する項に詳細を記述している。


<編集協力者コメント>

使用用量が国内と海外で異なる抗うつ薬もあり,副作用の頻度の解釈は注意が必要である。

(久保 馨彦)